国民のための国家緊急権
といっても生臭いミリタリネタではない。関係者が全部異動したと思うので,国家権力の濫用を恐れる私が敢えて書く。実は,パパリンの最後の仕事は覚悟の過労死だった。これは主治医チームの責任ではない。パパリンは主治医チームの厳命を無視して,夜間密かに登庁して,パンデミック緊急事態対処マニュアルを(とり)まとめたからだ。結果は,国民の幸せなことに無駄に終わって終息し,そのことをパパリンは天国で一番喜んだと思う。
人一倍健康に留意したパパリン*1が,自己の命を削って公益に奉仕したのは,パパリンのプロテスタントの信仰心も大きいが,リスクマネジメント,医療現場の実情,ドクターヘリ制度,他省庁合議のバカげたプロトコル,財務省を恫喝しても予算をとるノウハウ,厚労省の実働部隊の実情,関係法令*2の詳細を熟知した実務家は,霞が関の秀才官僚集団広しと言えども,パパリンしかいなかったからだ。
私も深夜密かに車椅子を押して協力したが,そこで見たのは,平時の法律が(人権保障のために濫用禁圧のため)緊急事態の妨げになる実態だった。人命優先の人道主義の観点からは,平時の邪魔な法律を無視できる権限を,パンデミックや大規模地震や大津波対策のためだけには,国家緊急権として認めてもいいのではないかと思いました*3。