法学系でも

 ロースクール講師でも

検面調書で刑訴法321条1項2号書面の判例や実例は沢山あるが,員面調書で同法同項3号書面は極めて少ないと言うかマレである。これは検事調書は信用性を認めても警察官調書が信用できないという証拠である。*1

と堂々とロースクールで教えているのを耳にして絶句した。*2
 そもそも,法321条1項の2号と3号では証拠能力取得要件が違うし,2号書面が採用されたら,ほぼ同内容の3号書面を請求するバカがいるだろうか? 大は小を兼ねているから,「大」が採用されたら採用条件が「不可欠性」と厳しい「小」を請求したら阿保だろうし,そもそも2号書面が採用されたら3号書面の証拠能力取得要件である「不可欠性」を自動的に喪失するだろう。検面と員面はパラレル等価ではないのである。
 このような刑事訴訟法の重要な証拠法の基本的間違いという大失態をロースクール講師がした上に,恥の上塗りで,判例や先例の多数少数比較という統計チック(ボウティング?)で,証拠の信用性レベルの定型的判断にもっていくのは強引過ぎないだろか?

<参考文献>
石井一正著『刑事実務証拠法(第4版)』
判例タイムズ社(2007/02)
ISBN-10: 4891861347 ISBN-13: 978-4891861346

*1:法学部通信制科程刑訴法スクーリング用のビデオとして残っている

*2:これじゃあ文字通り統計でウソをつく法だ(プンプン