法と道徳の峻別を論ぜよ

 ご存じ「法学」の学年末試験の有名なヤマの典型である。
 法と道徳の意義と要件と効果を論じるわけだが,道徳が法律化(内在化)している部分も多く,そのメカニズムとレベル(程度)を論証しないとA(優)は望めないらしい。
 人を殺すなかれ,姦淫するなかれ,物を盗むなかれ(モーセ十戒6〜8)*1なんぞは,洋の東西や宗教を問わず,重要な道徳であるとともに,刑事法民事法を問わず重要な法規範であることに疑いはない。
 問題は,そこまで違法の程度が高くなく,道徳的には疑問ないし非難の対象だが,法規範が明文で禁止していなかったり,比較法的に考察すると国よって合法化されたり違法化されたりするものがあることである。たいてい一般条項で論点となる。一地方で慣習法として成立したり,「事実たる慣習」として準法規範化しているものもある。

*1:旧約聖書出エジプト記20章3節〜17節,申命記5章7節〜21節