選択科目労働法

 官民を問わず雇用者側の労働組合の結成,参加,運営に対する支配介入は,公務員法(地方&国家)に違反しますし,日本が批准しているILO条約の精神に背馳し,おかしい,というのが選択科目労働法の常識です。

阿久根市副市長「総務課などの職員は組合脱退を」2010年8月16日22時43分
http://www.asahi.com/national/update/0816/SEB201008160043.html
>仙波副市長は課長会で「近い将来、総務、企画(調整)、財政の職員はすべて職員労組からは出ていただきます」と発言。来月以降の団体交渉で提案するという。取材には「組織の中枢部に職員労組の方がいるということは守秘義務の点から問題があり、行政改革が進まなくなる懸念がある」と説明した。
>市によると、3課の職員は現在、計35人。課長などの管理職を除く29人が市職労に加入している。地公法によると、職員は職員団体(労働組合)を結成し、加入の自由が認められている。管理職は一般職員の労働組合に加入できないと定められているが、一般職員の加入を阻止する規定はない。
阿久根市の場合、「管理職」の範囲を市公平委員会の規則で定めており、課長や課長補佐などが該当する。仙波氏は取材に対し、この規定を変える考えも示唆した。
>これに対し、自治労県本部の高橋誠書記次長は「公平委が規則を変えない限り、従う必要のない命令。団交は拒否しないが、最初から組合を抜けさせるなどと言っている人と話ができるのか。横暴だ」と話す。配置換えに言及した点についても、不利益な取り扱いを禁じた同法の規定に違反する可能性がある、と反発している。

 名ばかり管理職という脱法行為までつかって,組合脱退を業務命令する前代未聞でしょうか。憲法の労働基本権を知らないのかもしれませんが。おそらくですが,違憲判決が出てもおかしくないです。メイビー
 なお,会社の機密を扱う部署(秘書課・人事課の下級管理職)などに限り,労働組合員となれない(法適合組合でなくなる)などがあるけど,中枢という理由で「総務、企画(調整)、財政」の課員全員の組合脱退を要求(配転の不利益告知を背景)するのは,どう考えてもおかしいよね。

【参考】
[PDF] 労働組合員の範囲について
(PDF)http://new-kochi-iroren.sunnyday.jp/k_irouren/rouso/rousohani.pdf
>②人事を直接左右する決定権を行使できる者。一般的には、総務・労務・人事部門の課長以上の者。
>「直接」とは、人事関係の企画立案に参与するとか、人事問題に意見を具申するとかいうだけの者は含まないという趣旨す。
>③労働条件や雇用制度の改変に直接携わり、その機密に接していることから組合員であることとの板ばさみになる者。
>一般的に言えば、総務課、秘書課、人事課、労務課等の課長補佐がこれに該当します。社長秘書、タイピスト、電話交換手等は、労働関係の機密の事項に接することがあっても、監督的な地位にないことから該当しません。