本物認定考

 浄財の給付・貸与で,散々詐欺に遭った経験?からか,教会の浄財給付貸与(奨学金助成金や寄付)のチェックは相当厳密に行われています。奨学金であれば,合格証書(高校・大学),年間(無)収入証明書(税務当局),本人確認(旅券等公的IDカラーコピーと面接),2名の推薦人…その各裏付け審査…という感じで,まず,これで詐欺ができたら奇跡的なほどです。日本と違い米国本部の基準は,「書類なんかはなから信用してなくて,推薦人や面接という人間関係で審査する。」という狩猟採集民族アングロ・サクソンの行動様式を感じました。*1
 Dr.奥様ペプ先生によれば,イスラエルユダヤ人なら本国国籍とイスラエル二重国籍を認めているので,スパイ等よからぬ二重国籍申請を排除するため,本人確認を厳重に行っているそうです。そこでは,書類審査も厳重を極めますが,身分経歴偽装書類は諜報界では簡単なのは経験則だそうで,もっぱら本人面接と大使館職員による現地調査というヒューミントで行うそうです。
 本人面接も,出生から現在まで履歴を人権侵害と思われるほどこと細かく質問され(ハイスクール時代の恋人のフルネームと宗派まで奥様ペプ先生は聞かれたとか),1か月後にもう一度同じように細かく質問され,1か月前の面接と違うもの(たとえば,ハイスクール時代の恋人のミドルネームと宗派の相違とか)は,その相違点を集中的に問い質され,何故違うのか?どうして間違えたのか?偽装ではないか?とインタロゲータばりに徹底的に追及されるそうです。その間,大使館職員が,該当するハイスクール関係者を調べたらしく,「最初の尋問では,第一恋人のミドルネームと宗派を第二恋人と混同した。」ということまで裏付けてきたとか(伝聞)。「ゼイ・ファクト・アップ・マイ・ハイスクールズ・レジェンド!」と奥様ペプ先生が蜚語で感想を述べるほどだったようで(汗。*2
 日本と欧米の違いは,善意*3を信じてチェックが甘くなるか,逆に厳しくなるかでしょうか?

*1:もっとも,米国等の公的機関や大学だと,必ず信者が幹部にいるし,教会の信用も絶大なので,各組織のパーソナルディビジョン(人事課)やジェネアドディビジョン(総務課)に問い合わせれば一発で答えてくれることも大きいでしょう

*2:フランス外人部隊の入隊審査でも全く同じ手法がとられているようです。柘植久慶著「フランス外人部隊から帰還した男」飛鳥新社 (1987/10) ISBN-10:4870310392,ISBN-13:978-4870310391

*3:イスラエル国籍が判明すると一定範囲のアラブ諸国は入国を拒否されますし,ユダヤ人を公言するようなもので欧米での隠れたユダヤ人差別は公知のとおりな上,キブツでの奉仕活動義務や兵役義務もあり,イスラエル国籍をとるメリットは良心と信条以外になく,デメリットの方が多いそうです