疑問氷解(余談)

 原典チェックのために,以前は斜め読みで読み飛ばした「医事法判例百選」*1をしっかり読んだら,民事(行政)判例と刑事判例がごっちゃになっているではないかw(゚o゚)w。医事判例百選*2医療過誤判例百選*3もそうだからせんないが,これでは法学の基礎を学んでないベテラン医師の先生でも,民事判例と刑事判例を等価と思って誤解してしまうし,18世紀の民刑不分離の暗黒時代の議論に後退してしまう……。
 尊敬する医師の先生方が,トンデモ医療過誤判例批判として刑事判例批判に民事判例を誤引用するのも無理はない。法学部1年坊主から見たら,判例書の編纂上の過失(システムエラー)で医師の先生方は無過失に見えるけど,出版業界のアルバイターから見たら,刑事と民事で分けるほど刑事判例がないので,コスト計算と予定価格と販売見込みから,項目別分類編纂を採用して民行刑判例判決例を同列に置いたのだろう。法律家なら誤解しないという性善説の下に。しかし,大学で民事刑事行政法の基礎を全く学んでいない医療業界の専門家プロフェッショナルも読むのである。*4

*1:別冊ジュリスト No.183,有斐閣(2006年),ISBN-10:4641114838,ISBN-13:978-4641114838

*2:別冊ジュリストNo.50,有斐閣(1976年),ISBN-10:4641014507

*3:別冊ジュリストNo.102,有斐閣(1989年),ISBN-10:4641114021,ISBN-13:978-4641114029

*4:亡父が某ブログで,私から見て不必要と思うくらい民事と刑事の分離が必要と繰り返しカキコしていた理由が判明した