米国ロイヤーズ・ジョーク

 民法不法行為法の挙証責任の勉強で,疲れた一服で英米法の「物自体が語る(res ipsa loquitur)」をググっていたら,「弁護士3万ドル(3億円)ジョーク」がヒットした。英語サイトは翻訳が面倒なのでw,日本のサイトから紹介しましょう。

アメリ不法行為法ー主要概念と学際法理』の研究
(2006年10月、中央大学出版部刊)488頁(追加資料)+(はしがき+目次)
中央大学専任教授(総合政策学部)・博士(総合政策 中央大学)・米国弁護士(NY州)平野 晋
http://www.fps.chuo-u.ac.jp/~cyberian/torts-index.html

                                                                                    • -

エンジニアと、〝モノつくり〟を通じて社会に貢献する人々に捧げる。
ロイヤー・ジョーク〈火星飛行士に最適な資質(The Right Stuff (ライト・スタッフ))〉
 火星に人類を送り込むミッションを検討中のNASAに於いて,人選が始まった。このミッションの最も問題な点は,一人しか選ばれず,しかも片道切符である点だった。行ったら最期,二度と地球には戻れない宇宙飛行士の選考。その対価として幾ら欲しいのかを,候補者に尋ねることになった。
 候補者の一人,〝エンジニア〟氏は「一億円」と答えた後,続けてこう言った。「その一億円を母校に寄付します。」
 次の候補者の〝医師〟は,同じ質問に対し「二億円」と答え,こう付け加えた。「その内の一億円を家族にあげて,残りは“医学向上基金”に寄付したい」と。
 最期の候補者は〝弁護士〟で,返事を小さな声で囁いた,「三億円です」と。
 面接官が「なぜ前の二人よりもそんなに高額なのだね?」と訊くと,弁護士は更に小さな声で囁いた。
 「あなたが三億円をくれれば,私はその内の一億円をあなたに差し上げます。そして残りの額から一億円を私がいただいて,… あとはエンジニアに行ってもらいましょう!」
拙考「『法と文学』と法職倫理(第8回)」『際商』Vol.29,No.11, 1401, 1402頁 (2001年11月).

                                  • -

 このパターンのジョークは有名らしく,パパリンの滞米中の日記にも出てくる。

ジョーク・サマリー「弁護士と3万ドル」
>トリック弁護士は,技術屋ボルトの葬儀に出かけ,親友の作家ライター氏と時計屋パンクチュアル*1氏と共に,棺に1万ドル(or相当物)を入れて友情の証とした。
>ライター氏は原稿料から現金1万ドルを棺に入れ,パンクチュアル氏は売価1万ドルの限定製造ウオッチを棺に入れた。それから,トリック弁護士は,3万ドルの小切手を棺に入れたが,釣り銭として,時計と1万ドルの現金を棺からもらった。
(19**/**/**,ワシントンDC,***パーティにて,KHjpn弁護士から)

 邦訳文献にも似たものがあるのをハッケソしました。

>賢明なラビ
>(前略)
>さて,葬式の日に,まずカトリックの神父が立って,棺の近くまで行くと,二千ドルを棺の中に納めた。
>つぎにプロテスタントの牧師が棺のところまで行って,また,1万ドルのなかから二千ドルをとって,中に入れた。
>それからがラビである。
>ラビはおもむろにふところからパーソナルチェックを出すと,六千ドルと書き入れてから棺の中に入れ,四千ドルの釣銭をとった。
(出典)ラビ・M・トケイヤ- 著/加瀬英明翻訳「ユダヤ・ジョ-ク集 」(講談社プラスアルファ文庫)63頁,講談社(1994/9/14) ISBN10:4062560607 ISBN13:978-4062560603

*1:punctual;(形)時間[期限]を守る,時間に几帳面な,時間どおりの,遅れない,(俗)融通のきかない型物な,四角四面な