ミリタリから重要なスピンオフは事故対策

 私がミリヲタにはまったのは,高度に技術的に洗練された美(マンもマシンも制服もw)と安全対策の徹底さである(そうでない国も多いが)。そこからスピンオフ(民製化)された安全対策や安全工学政策も多い。それだけ,戦史や軍事技術史を概観すれば事故の連続であったと思う。*1
 ただ,優秀で事故回避の天才ならそれで良いかというとそうでもないらしい。予備役軍医でもあるペプ奥様先生の言によれば,イスラエル軍には,「良き法律家は悪しき隣人」をもじって「良き戦士は悪しき配偶者」というエスプリがあるのだそうだ。優秀な軍人ほど家庭不適応者が多いという皮肉な統計です。
 事故原因は,4Mつまりマン・マシン・マテリアル・マネジメントと言われるが,人為的な側面の強いマンとマネジメントの安全工学は,生物学的生理学的認知や判断を除き,統計的には不可避に発生するポカミス対応が極めて難しいようだ。それと同様に,良き事故対応者(優秀な事故予見対策者)は悪しき配偶者なのかもしれない。家庭生活でリダンダンシ(冗長性)がなく,常に適度にピリピリしている配偶者と一生を過ごすのは,変人の私でも引くからだ。

*1:某国某部隊は,戦死(DICZ;ダイ・イン・ザ・コンバット・ゾーン/MID;ミッション・イン・ダイイング/KIA;キルド・イン・アクション>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E6%AD%BB)よりも事故死(AID)の方がはるかに多いので有名