犯罪収益の使い道

 刑法で頭を酷使していたらこんな記事が……。

ジャングルに隠された麻薬密輸用潜水艦を押収 エクアドル
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201007040008.html
>米麻薬取締当局が発表した声明によると、海洋での麻薬密輸活動に使用する目的で麻薬密輸組織により秘密裏に造られた潜水艦が押収されたのは今回が初めて。以前から捜査を進めており、エクアドル当局はこの潜水艦を初航海の前に押収できたという。
エクアドル当局によると、この潜水艦の船体は全長約30メートル、全高約3メートル。スクリューを2本搭載し、ディーゼルエレクトリック方式を用いている。潜望鏡や空調システムも備わっていた。
http://www.cnn.co.jp/world/images/AIC201007040007.jpg

 犯罪への資本投下は収益率に相関すると,某メモで読んだけど。ミリヲタ子として興味あるのは,DE*1の2軸推進システムで空調完備という豪華さ。麻薬運搬船はジャンクと相場が決まっていたのは昔話か。
 麻薬特例法の根拠条約となった国際協力麻薬取締条約では,マネー・ロンダリングやコントロールド・デリバリ(監視付き移転)捜査を締約国に立法を義務付ける点に目が行きがちだが,国際的な取締協力も義務付けている。今回の摘発は,エクアドル麻薬取締当局と米国BATFE*2のJV活動なんだろう。
 アンダーカバー(潜入捜査官)を麻薬組織にプラントした(植え付けた)ペネトレーション(潜入捜査)の成果だと思うけど。潜水艦は特殊部品が多過ぎなので,部品販売ルートから掘下げ捜査した可能性もある。犯罪備品の販売ルートから掘下げるのは,密造酒取締官以来BATFE120年の歴史が蓄積しているし,上流源流捜査(アップストーリーム・インベスティゲーション)もお得意だし。もっとも弟分のDEA*3国際部が動いた可能性も否定できない。