誤投薬誤処置防止装置?

 米国ドクターの通訳バイトでIT系のカンファレンスに同行したときの院内管理システムのことだ。公開情報なので,通訳の秘密に触れない程度に紹介する。*1

 さるドクターチームが,コメディカルやナースチームの協力を得て開発した院内投薬処置管理システムとでも訳すシステムだった。それは,ドクターやナースが小型筆箱くらいの識別端末を身につけ,投薬にしろ処置にしろ,検査にしろ

    1. 自分の名札のバーコード
    2. 患者のリストバンドのバーコード
    3. カルテのバーコード
    4. 薬剤や点滴パック等のバーコード
    5. 検査器具のCRT画面のバーコード

を次々と読みとらせ,投薬,点滴などの処置を行い,検査だと血圧計等のデータまで自動的に読み取り,もって誤投薬や誤処置や検査データ読み取りミスや誤診までも防ぐシステムだという。
 このシステムの導入により,リードエラーに起因する各種ミスが10%以下に激減したという。ただし,システム導入が高額なため病床100床以上の大規模中核病院でないと採算がとれないとか。
 副次的な効果として,医薬品の不良在庫どころか通常の在庫まで激減させて「トヨタカンバン方式」に類するコストダウンの経済効果が発生したという。

 このカンファレンスの演題を通訳したとき,手作業に頼ったピストンエンジン4人乗りの軽飛行機が,フライトマネジメントシステムというコンピュータが飛行機全体を管理するエアラインの大型機に進化した過程に似ていると思いました。

*1:いつどこのカンファレンスか特定公開できないので許されたも。それは通訳のクライアントの属人情報が特定される秘密なのです