緊急事態は臨時的限定的中央指揮

口蹄疫で国の対応の甘さを批判 検証委が最終報告
http://www.47news.jp/news/2010/11/post_20101124172900.html
>宮崎県の口蹄疫問題で、国や県の対応を検証してきた農林水産省の対策検証委員会は24日、最終報告書をまとめた。中間報告で目立った宮崎県への批判に加え、最終報告では「都道府県への指示が事務的だった」と国の対応の甘さを批判。国や県、市町村の対策本部が乱立し、指揮系統が乱れたことで「現場に多くの混乱をもたらした」と、連携の不備を指摘した。

 亡父は趣味で「独裁と権力集中の弊害」を研究していたらしいですが,「三権分立が水平的権力分立で地方自治地方分権・団体自治)は垂直的権力分立の側面があり,構造的に人権侵害を防止する制度」と捉えていたようです。
 しかし,国家的世界的緊急事態のパンデミックなら,臨時例外的に緊急対応で中央指揮を認める緊急権の行使の方が,かえって人権保障(生命身体財産の保全)と国民福祉(公衆衛生)に資するというパラドックス,の調整に苦労していたのが晩年の最後の公務だったようです。
 亡父の研究では,緊急事態に備えて一定の戦闘行動を議会の事前承認なくして認める連邦法を持つ米国,緊急事態の宣言で国家中央警察組織が国内の地方警察組織の指揮権を全て掌握するフランスの立法例などがあるようです。