レディネス・ロジスティック

 コード・オレンジが発令(宣言)されると,後方支援部隊や事務局が真っ先にやるのは,緊急物資の在庫チェックであり,この中には,糧食備蓄分のチェックもあります。クライス・マネジメントでは,緊急事態対応要員の糧食,宿舎寝具のチェックが重要です。いくら緊急支援物資が完璧でも,要員の食糧や寝床がないと要員が疲弊損耗して,緊急事態対応支援どころではなく,バタバタ倒れた要員の救護救出という二次災害が発生して,その対処に残存人員をとられてしまうからです。
 「兵士は胃袋で闘い寝る」というように,食事と睡眠は,緊急事態対応組織の要員が組織的活動する最低限のTODO配慮事項です。日常的な緊急事態対応組織である警察さんは,大事件となると,署内の道場に貸布団を敷き詰めてカップ麺を買い占めた時代があったそうです。機動隊さんは,キッチンカーという糧食運搬調理車まであるそうです。山中警備ではコンビニどころか一膳飯屋やパン屋すらないからだそうです。
 この兵站思想(ロジスティック)は,組織が「装備と人(マンパワー)」で動くからであり,装備は金に糸目をつけなければいくらでも緊急調達できますが,マンパワーとくに高度に教育訓練された危機対応のプロは,お金を出しても育成に半年から1年もかかり替えもないからです。ERの医師,ドクターヘリ,テロ対応のSATやGSG9なんかを題材にしたTVドラマを見れば判ると思います。