新学期から

震災ボランティアの単位認定、全大学に要請へ 文科省 2011年3月31日23時4分
http://www.asahi.com/national/update/0331/TKY201103310249.html
>その後、被災地では物資不足は完全に解消されていないものの、被災各県のホームページなどでボランティアの募集が始まり、春休み中の学生たちが相次いで現地で活動を始めている。こうした状況から、文科省は学生のボランティア参加を推奨するねらいを込めて、通知を出すことにした。(青池学)

 ボランティア高校義務化法案を検討した某政党は格別,ボランティア活動を支援or促すなら賛成です。被災地では,とにかく人出が足りませんし,ボランティアがトラウマとなるような超絶悲惨な現象は,そろそろ目にしなくてもよくなったような状況ですし……。
 ただ,敢えてキツイことを書きますが,児童自立支援施設デイケア(老人介護施設)で,大学生がチーチーパッパやって感謝されてファミレスで打ち上げ……するのと全く異なります。私が日曜教室で語学学校するような同じものなら,天国で楽で仕方ありませんし片手間でできます。しかし被災地ボランティアは,相当な覚悟と肉体的精神的タフネスがいります。被災者の癒しのカウンセリングは格別,給食配膳や支援物資の配給という物理的支援ですら,被災者の家族の生死にまつわる話題が感謝の言葉と共に耳に届きます。
 それでも行きたい,という方は大歓迎です。ほんとに被災地は人手が足りません。布団で寝るどころか寝る場所も毛布すら足らなくて寒いですし,水道も電気もガスも灯りすらありません。食べたり飲んだりできるものは極端に限られていて,人跡未踏の何もない山奥に行くようなものと覚悟を決めてください。
 圏内表示が出ても通信が輻輳していて,携帯メールすら満足にできないところがまだまだあります。携帯ミュージックプレイヤーの充電なんてできないというか持っていくだけ無駄です。コンビニもマックもヨシギューもケンタもありません。食事は1日1〜2食が普通と割り切りましょう。
 だけど,次は貴方が被災者です。いつ貴方の生活基盤と家族が根こそぎ喪失するかわかりません。それが日本のカントリーリスクです。幸か不幸か私達は,環太平洋造山帯地震列島の上に住んでいます。そして,被災地ボランティアを経験した人は,危機に強い日本という実態を見て,日本人に生まれてよかったと思うでしょう。阪神大震災のころから,「なぜ日本の被災地では暴動や略奪が起きないのか?」と,よく米国在住の米国人友人(日本と中国が陸続きで核武装している国と勘違いする程度の認識)から質問されました。
 その答えは被災地にありました。災害派遣された米軍人は,「派遣先がベト(ナム)や湾岸(西アジア)でなくて日本でよかった。ハートフル。」とよく言われました。ぶっちゃけ日本人は,どうしようもない御人好(おひとよし)です。御人好のバックボーンには,困ったときの助け合い,自分より他人のことを優先する*1,非常時にお互いを信頼して結束する,「被災死よりましな自分に救いと希望を見出す」,……。そこには慈愛と無私の善意がありました(以下略)。

*1:たとえ,その心理構造・バーティカルソサエティに大問題があったとしてもです