犯人隠避(司法妨害)
【1911年 ●●刑法各論 I ゼミ 秋合宿問題】
次のAとBの罪責を論ぜよ。道路交通法違反以外の特別法は論じなくてよい。
- 兄Aは,無免許運転を現認された警察官に対し,弟Bを詐称して免許証不携帯を主張してB名義で交通切符に署名した後,Bに事情を話して,交通裁判所にBを出頭させてB宛の略式命令を受けさせて即時罰金をBに納付させた。
- Aは,Bが「殺してやる」と怒号して妻Cを刺殺するのを目撃したが,Bに頼まれてBの指示通り,検察官に対し,「
AとBBとCが夫婦喧嘩でもみ合っているうちにABが持っていた包丁が誤ってBCの胸に刺さるのを見た。」と供述して,そのとおり録取された検察官面前調書に署名した。- Aは,不倫相手Bの殺害を企て,追死の意思があるように装ってBに愛の心中を持ちかけ,心中に同意したBに毒入りワインを自飲させて服毒死を確認した後,119番で臨場した救急隊員に「Bが就職に絶望して毒を飲むと俺に電話してきたので止めようと駆け付けたが間に合わなかった」と虚偽の説明をした。
- 刑事部長Aは,部下Cがコカイン使用を自首してきたが,副部長Bに命じて「Cがコカイン使用事犯の証拠見分中にミステイクでコカインを吸い込んでしまったのを現認した」との虚偽内容の捜査報告書を作成させた。
- 検察官Aは,BとCの共謀による殺害との心証を得たが,BとDが共謀してEを殺害したとの共謀会話文の電子メールを4通偽造した上,「検察庁は怖いところだぞ。Dとの共謀を認めろ!」とBを恫喝して,BとDが共謀してDがEが殺害したとの検察官面前調書に無理矢理署名させ,Bを逮捕勾留した。
- Aは,元カレBから,「君に振られた時,腹立ち紛れに君の愛犬を殺してしまったのは俺だ」と告白を受けたが,憐憫の情から警察に届けずに黙っていた。
ゲゲゲのゲ。w(゚o゚)wポカーン……。Σ(゚Д゚)マヂスカ!?
パパンガパン( ゚人゚)ダーレガ( σ。。)σコロシタ ( ゚人゚)クック( σ。。)σロビン
(9/17追記)
第七章 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪
(犯人蔵匿等)
第百三条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
(証拠隠滅等)
第百四条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
(親族による犯罪に関する特例)
第百五条 前二条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる。
【1911年 ●●刑法各論 I ゼミ 秋合宿「追加」問題】
- 院長Aは,患者死亡は不可抗力で執刀医Cが無責であることを知りながら,団体損害賠償責任保険金を遺族に交付させようと考え,その考えを明かして解剖医Bに命じて,Cの執刀ミスとの虚偽の所見を記載した死体検案書と病理解剖報告書を作成押印させて損害保険会社Dへ提出し,Dから遺族Fへ1億円の保険金を支払わせた。
「学生諸君は3連休の連荘で暇そうだから追加出題します」だと! オニ〜!
(9/17追記)
とりあえず,基本書と手持ち資料*1から判例通説の結論方向……。
1問*2
追加問