司法から民主的基盤の牽制

格差是正、定数削減に全力を」首相、民主幹部に指示
http://www.asahi.com/politics/update/1007/TKY201110070501.html
衆院選挙制度は、最高裁が「違憲状態」としている。6日の与野党幹事長・書記局長会談では、全党が選挙制度改革の必要性を確認。民主党の改革案は、各都道府県にあらかじめ1議席ずつ配分する「1人別枠方式」を廃止したうえで、比例区の定数は80削減、小選挙区は「5増9減」または「6増6減」の2案としている。ただ、各党の意見との隔たりは大きく、次の臨時国会で成案を得られるかどうか不透明だ。

hascup_jr 2011/10/09 18:57
http://d.hatena.ne.jp/hascup_jr/20111009#c1318154250
(前略)
 法的な法益衝突場面としてみると,自由主義と民主主義が緊張状態になる牽制と均衡場面の典型例だと思います。
(中略)
 しかし,司法が政治論争過程に巻き込まれて司法権の独立を脅かされないようにするため,立法裁量の尊重等の司法消極主義(vs司法積極主義)という概念が導かれます。
 同じく議員の地位を奪い自分達の首を絞めかねない議員定数不均衡違憲訴訟では,立法裁量を尊重して政治過程に司法が巻き込まれるのを防ぐため,立法裁量で合憲〜格差が3倍超過で是正の合理的期間内を経るまで合憲という司法消極主義の時代が長く続きましたが,一票の格差は3倍以内の是正に改正法が終始していたためか,最近は2倍超過で是正の合理的期間を経て違憲という立法裁量に踏み込んだ司法積極主義とでもいう違憲宣言で請求棄却(事情判決*1 )となり,少数意見では「是正の合理的期間を超過した条件付き将来的違憲判決」という怒り?の意見も出るようになりました。
 ときの政治権力などの高度に政治性を有する事案では,三権分立の牽制と均衡も難しいところがあるかと思います。
(後略)

 多分に自コメントの手前味噌ですが(^^ゞポリポリ。長らく一票の格差衆院では3倍以内・参院では6倍以内(半数改選という憲法上の制約を考慮)という時代が続きましたが,「人が他人の2倍や半分の人権を持つのはオカシイ?」というもっとも単純な平等法理で,ついに最高裁は,2009年衆院選(2009年8月30日総選挙)につき,平成23年3月23日付けで,格差2.30倍を違憲状態と認める判例判決を下しました。\(^o^)/*2 *3