消費税30%(25%うp)が妥当か?

消費税率をどこまで引き上げれば財政は健全化するか――条件を変えた場合のシミュレーション
人口減少の経済学【第17回】 2011年2月11日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問] (c)
http://diamond.jp/articles/-/11104
>【図表1】2012年度の消費税率引き上げと、2020年度、2030年度の公債依存率
http://diamond.jp/mwimgs/9/e/300/img_9e481cce312a3aa710e5b983738ce32e12521.gif
>【図表1】には、2012年度の消費税率を引き上げるものとして、引き上げ幅と2020年度、2030年度の公債依存度の関係を示す(税収、税外収入の伸び率は1%とし、社会保障関係費の伸び率は2%とする)。
>消費税増税を行なわない場合には、2020年度の公債依存度は57.0%、2030年度の公債依存度は62.7%にまで上昇する。2030年度には歳入総額の3分の2近くが国債で賄われるわけであるが、こうした財政運営は、現実には不可能であろう(国債の消化に著しい困難が生じるだろう)。
>税率引き上げ幅が10%の場合、2020年度の公債依存度は30%台に抑えられるが、2030年度の公債依存度は45.1%で、現在とあまり変わらなくなる。つまり、効果は20年程度しかもたないということだ。
>このことから、「常識的な」範囲での消費税増税では、問題を本質的に改善することはできないことが分かる。
>……
>他方で、税収伸び率が低いと、問題は時間が経つほど深刻化する。例えば、税収伸び率が0%の場合には、公債依存度は2020年度に51.7%、2030年度に61.1%に上昇する。そして、国債残高のGDP比は、300%にまで上昇する(表には示していない)。こうした状態では、国債の消化にきわめて大きな問題が発生しているに違いない。しかし、税収伸び率が0%というのは、十分ありうる事態だ。少なくとも、そうした場合にどうなるかの検討は、しておく必要があるだろう。
>では、2012年度において10%の消費税増税を行なえば、上で述べた税収伸び率の下振れに対応することができるだろうか? この場合の結果は、【図表3】に示すとおりである。
>【図表3】税収伸び率と、2020年度、2030年度の公債依存度(消費税増税幅10%)
http://diamond.jp/mwimgs/3/c/300/img_3cc9fa27fcffe4d214b9b49625c9519812378.gif
>この場合においても、税収伸び率が0%の場合には、2030年度の公債依存度は50%を突破する。したがって、消費税増税にもかかわらず将来に問題が発生することは避けられない。
>……
>そうだとすれば、残る手段は、社会保障関係費の伸び率を抑えることである。これは、決して容易な課題ではないとはいえ、不可能なことではない。
>そこで、【図表4】に、社会保障の伸び率を変化させた場合の結果を示す(税収と税外収入の伸び率は1%、消費税率増税幅は、2012年度に5%)。
>【図表4】社会保証伸び率と、2020年度、2030年度の公債依存度(消費税増税幅5%)
http://diamond.jp/mwimgs/3/4/300/img_341c7765a1136e5a1e5ca5c943afb08513547.gif
社会保障関係費伸び率が−2%のときに、公債依存度は時間的にほぼ一定値となる。公債依存度が時間とともに低下してゆくためには、社会保障関係費の伸び率が−3%より小である必要がある。

 昭和100年の危機−日本の財政ギリシャ化−は爆発寸前で目の前に迫っているように見えます _| ̄|○。消費税や所得税を上げても伸び率の下振れまで考えなくてはならないようです(知らんかったです(T_T))。

 遅くとも昭和百年には、社会保障費と税(所得税付加価値税*1 )で50%にしないと歳入歳出の帳尻が合わない(現在の国債残高約100兆円*2を積み残しても)。日本の高齢化社会の高齢化スピードは世界随一で、北欧並みの税と社会保障費の負担のスキーム(グランドデザイン)を構築しないと大変な危機となる。だが国民に加重な負担を求める政治家がどれだけいるかを考えると長期調査海外出張で日本を不在にすることを喜べない。
出典:昭和60年1月1日ハスカップメモランダム

 昭和60年代からわかっていたことなのに……(´д`;)ハァ

*1:今の消費税は当時は「付加価値税」という概念で議論されていたようです。なお,消費税の導入は,消費税法(昭和63年12月30日法律第108号)ですm(_"_)m

*2:当時はパパリンの購入本やメモには「国債100兆円時代」というのがありました。http://jfn.josuikai.net/nendokai/dec-club/sinronbun/2007/Kokusai100tyouen.htm