病院経営は大変だと思いますが(T_T)

検証・医療事故
医学生でも区別できるはずの良性腫瘍」を肝臓がんと誤診して不要な手術
山本病院事件(7) 2011年3月〜2012年11月
出河 雅彦(いでがわ・まさひこ)
http://judiciary.asahi.com/fukabori/2013102800005.html
>……診療報酬の不正請求に関しては詐欺罪、患者死亡事故については業務上過失致死罪で起訴された元院長は、それぞれの事件でいずれも実刑判決を受け、厚生労働省から医師免許取り消しの行政処分を受けた。社会的に弱い立場にある生活保護受給者を主たるターゲットに、公費で賄われる医療費を病院経営のために食い物にするという、医療機関を舞台にした犯罪としては史上まれに見る悪質な事件であった。病院を経営していた元院長が大阪大学医学部卒の「エリート医師」であったことから、社会的にも注目された。

 私は亡父が地方機関基幹病院の事務長?に派遣されたときの苦労を垣間見ているので,医師,弁護士,判検事,公認会計士,税理士など専門職を血祭りに上げるニュースネタに左右されません。むしろ「ベテランほど慢心から基本ミスを犯しやすい」という滞米中の森林警備隊顧問医師の言葉を思い返します。それに「リンゴ箱の腐ったリンゴ」法則です。どんな立派なリンゴ箱でも腐ったリンゴ1個くらいはあるものでだからといってリンゴが全部悪いことはありません。
 それに重罪が予想されるなら「故意や過失で争う,特に因果関係は重要」という美人過ぎる検事さんのご教示からすれば,弁護士や被告人の攻撃防御方法としては全うだと思います。「罪を認めて反省して」という日本の被害者感情は理解できますが,先進諸国の比較法的にみれば,これは極少数派で,罪をなるべく軽くしたいという自己防衛本能による否認は,種族保存本能と並ぶ重要な本能*1に根ざした自然かつ合理的な態度なのです。
 この事件はマスコミ報道しか見てないので分かりませんが(記者や編集部の主観が入っています),病院経営や法律事務所の経営は大変だと思います。しかし,やっていいいことの限界は,個々人のモラルにかかっているので,倫理が医学部でも弁護修習でも必須になっているのだと思います。エリート検事だって証拠偽造はしたし,エリート裁判官だって盗撮で罷免されたしで,「エリート」は倫理遵守のファクター足り得ないことは皆様ご存じのとおりだと思います。

*1:もちろん「三大本能」とは定義・要件が異なるのは承知しています<(_ _)>