期待可能性
この期待可能性は,もろに責任的故意の要件でもあるし,もろに責任的過失の要件でもあるとされている。*1 ことに過失では,予見可能性と回避可能性の判断基準が客観的一般的をMAXとするのは,期待可能性が背後にあって「法が不能を強いらない」からであり,「過失の要件4要素」の細部にも類型化されていると見てとれる。
そして,刑事未成年程度は,成人同様の適法行為の期待可能性が無い(5歳時以下)か著しく低い(小中学生)のが通常であるし,また,心神喪失者や心神耗弱者も,同様に適法行為の期待可能性が無いか著しく低いのが通常である。*2
さらに,事実の錯誤や法律の錯誤の判断においても(場合において故意の問題でもあるが),期待可能性のモノサシで見れば,回答がスンナリでてくるときも多い。*3
よって,私は,責任の表層的本質(根幹部分)は「適法行為の期待可能性」であり,潜在的本質(根本規範)は「法は不能を強いらない」ではないかと,最近,考えている。トゥービーコンティニューw