宗教と倫理と道徳と法

 これを論じると,比較宗教学を修めていない私には暴走する恐れがあるので,雑感にとどめますが,

命題1:人を殺してはならない
(法も同じ:刑法明文規定)
命題2:不作為の罪と作為の罪は等価である
(法は作為義務を有する保証人的地位にある者に限り不作為は作為と等価になる:通説判例

とする宗教が多いかと思います(あくまで倫理や道徳の世界です)。
 すると,教義や信仰に忠実となる義務とモーセの10戒がバッティングすることになります(法では「義務の衝突」の問題。)。
 安楽死尊厳死をどう評価するかと類似していて,医療倫理と法の世界に通じるところもあります。ただ,本件乳児死亡事件(輸血拒否による死亡に近い)と尊厳死安楽死は事案が大きく異なり一概に論じられないし,人生観という哲学問題も入ってくると思います。
 よろしかったら,休憩時間に考えてみていただけたらと思います。