あえて評価抜きで

ボート転覆死「中に友達が…」発見まで2時間半
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100619-OYT1T01113.htm
>……ボートをえい航していた「静岡県立三ヶ日青年の家」の檀野清司所長(52)は19日、読売新聞の取材に救出時の様子を生々しく証言した。
>その際、生徒から「(ボートの)中にまだ友達がいる」と聞いたため、所長がボートの下に潜り込むと、3人の生徒がいた。「船内に空気だまりはあったが、波の上下が激しく、確実に呼吸できる状況でなかったので、1人ずつ3往復して救出した」という。
>救出後、生徒から「西野さんが見当たらない」と聞いたが、「潜って確認できたのは3人だけ。西野さんの行方をさらに確認することは体力的にもできなかった」と話した。
>……ボートでのえい航については「自分自身、初めての経験だったが、間違いではなかった」と述べた。

 と言いながら,一言コメントします。
 水中,海上,湖上,山岳を問わず,サバイバルリーダには大原則があります。

(1) リーダ自身の命と健康を先ず守ること
 サバイバルチームリーダが不在となったらパニックを起こした要救助者がハイリスクのアンチサバイバル行動に出がちで生存率が極端に低下するからです。某国のミリタリサバイバルマニュアルには,「他の戦闘員や将校,もちろん自分(リーダを除く)の命を犠牲にしてもリーダの命を守れ。」と明記されているくらいです。
(2) 愚直に行動し冒険をしないこと
 超人的スーパーサバイバルは,映画ランボーの中だけです。
 「湿地帯の泥水に顔を伏せてエネミーをやり過ごし,泥水をすすって生き残るのはランボーの映画の中だけである。未知の細菌・バクテリア・鞭毛虫・毒昆虫・毒持ち小動物に襲われないという保証はない。」からです。
(3) 意図的な楽観を演出すること
 「君が不幸にして小心者のサバイバルチームリーダーだったとしても,要救助者に生存の可能性を信じさせ,リーダーへの信頼を勝ち取るためには,君は慎重で悲観的でも顔には出さないで,チャーリチャップリンを演出せよ。自信をもって1日数回はジョークを述べて要救助者を笑わせること。役者たれ。」