ミリヲタ子シンドローム
ミリヲタ子の雑感では,世界最高の軍事技術と洗練された軍隊を持つ「世界の警察」USAは,なぜベトナムでシンドロームに至ったのか*1,イラク占拠で苦労しているのか? それは戦争の古典的テーゼかもしれない。1個大隊の最新鋭空軍で制空権を得れば大国以外相手なら絨毯爆撃(カーペット・ボミング)で戦勝も可能である*2。
しかし,戦勝を実行化するのは「歩兵の占領」だ*3。とくにローカルガバメントまで占領軍が軍事力で威圧して占領政策を貫徹しないとうまくいかない。GHQは御真影と二宮金次郎像を全ての小学校から徹底的に追放するくらいうまくやったが,イラクではそこまで貫徹できなかった。それは,GHQが莫大な予算とマンパワーを投じて日本占領を敢行したからであり,逆にベトナムでは議会予算決定の関係でピース・ミール・アタックに終始したし,イラク占領政策は当初から予算も人員もケチって主要都市以外は巡回訪問に終止して,敵対勢力の武装解除どころか鎮圧すらできないでいるからだ(ことの是非は別として純軍事的観点では)。
日本は,軍事的トラウマをプラントされ,「アメリカに追いつき追い越せ」をスローガンに経済復興に力を注ぎ,ついにアメリカに追いついたとおもったときに,ニクソンショックと石油ショックに襲われて長期構造的不況に突入し,以後,長期ドラスティクな経済産業構造の転換を余儀なくされ,「失われた10年」はあったにしても,それは今も続いている。人口政策と財政政策の長期戦略を除いて。この2つの戦略こそ傾斜配分方式とオーバーフォエルムがホント必要な戦略に見えてならない。とまれ,この2つの戦略が日本のシンドロームとならないことを切望する。