クライシス・マネジメント

 聖夜は,翌日の多国籍クリスマスパーティーに備えて,英米中韓の歴史をおさらいしてました。時事問題で故国を背景にチビちゃんたちが喧嘩口論になる恐れが多分にあったからです。チビちゃんの中でも小学校高学年ともなれば,それなりのロジックで果てなき論争やディベートを始めるクレバーな子もいるからです。

  • 多国籍多民族の信者が交差するときは,価値観の相違や文化の相違を相互に尊重し,共通理論(聖書)で論争を止揚せよ。

出典:亡父滞米日記(おそらくJFK語録の孫引きw)

 1発の銃弾とクリーエ(外交文書伝達吏)の到着遅れが第一次世界大戦の悲劇を産みましたが,キューバ危機ではドブルイニンとボビー・ケネディの公園極秘交渉で第三次世界大戦を免れました。(出典:多数のケネディ本)
 また,香港暴動を見れば,英国の忍耐強いカードを切ったジョンブル外交と中国の外儒内道(ワイルウネェイタオ)&殺鶏嚇猴(シャイチイホホウ)との激突も一考に値します。(出典:オースティン・コーツ著「ザ・プレリュード・トゥ・ホンコン」ルートレッジ&ケガン・ポール出版社)
 どちらも,カントリー・リスクのリスクス・マネジメントを超えたモロにクライシス・マネジメントです。特攻精神か全面降伏かというナチス・ドイツや旧帝国陸軍のような粗雑なメンタリティでないところが味噌です。
 そして,どちらも,交渉や衝突に臨んで,交渉先史や相手の外交気質(旧帝国陸軍旧ソ連クレムリンや旧西ドイツの対東側外交なら「絶対拒否性(アブソリュートネガティヴィズム)」)や相互手持ちカード(米ソ共に核戦争で人類終焉は避けたい)を読んで,プランBやプランCまで考えて交渉や折衝に臨んでいたことが大きいと思います。
 ご存じの漁船衝突事案では,日中・韓中で中国が強硬姿勢をとり,中国の海洋プレゼンスを恐れた米国が援護射撃するし,英仏はノーベル平和賞にからめて中国を非難するという複雑な政治状況にあります。多国籍の子供どうしで未熟な面子で政治論争を始められたら多国籍が入り乱れて目もあてられません。
 日本人のメンリティで「みんな仲良く,人類みな兄弟」のシンパシーで押し切ると逆に火に油を注ぐ結果になることは,経験則で熟知しています。理屈を抜きにした感情論の説得では理性や利害による反発を招くからです。そこで,エンバーゴ(解除条件付き留保)方式です。

  • 国と国で大人達が争うのはよくないね。みんなが大きくなったら話し合いで解決できる大人になって国や政府を動かしてね。お互いの文化や伝統を尊重して,優劣や勝負にこだわらず,●の意志にしたがいましょう。

 もちろん,半ば誤魔化しに近いですが,5歳から12歳の全ての子供の信者が納得する理屈は,これが限度です。<(_ _)>