(外交)政治的中立性

「検察は裁判決着を避けた」 元海上保安官がTVで批判 2011年1月22日22時31分
http://www.asahi.com/national/update/0122/OSK201101220139.html
>沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突をめぐる映像流出事件で国家公務員法守秘義務違反容疑で書類送検され、不起訴処分(起訴猶予)となった神戸海上保安部の一色正春・元海上保安官(44)=依願退職=が、22日放送のTBS系列の番組インタビューに答え、「(映像は)秘密に当たらないという確信があった。裁判で決着をつけるのが法治国家のあり方。検察はその道を避けた」と批判した。
>一色元保安官は映像を見た当初、国家公務員法で漏らしてはならないと定める「職務上知ることのできた秘密」との認識はなかったと強調。政府が公開に消極的なことから昨年11月4日、「自分しかやれる人間はいない」と決意し、動画投稿サイトに投稿したという。
>投稿した際の登録名「sengoku38」の意味は「そこは伏せておく。誰にも言っていない。一つくらい秘密があってもいいんじゃないですか」と答えた。

 最近評判が最悪で叩かれ捲りの検察ですが,検察が政治(外交や国防等)に翻弄されたらどうなるでしょう。法の支配は理性の支配で,司法は政治の干渉を本来的に嫌います。それは歴史が示しています。*1 *2
 一色元保安官の「自分しかやれる人間はいない」という思想信条は自由ですが,海上保安官海上警察という特別司法警察職員として,初任研修で,刑訴法47条(訴訟書類の非公開)と国家公務員法100条(守秘義務)を坐学で学んだはずなんですけど。(将来の)不起訴書類でも不起訴後も非公開が刑訴法47条で守られています。*3 *4

*1:大津事件http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B4%A5%E4%BA%8B%E4%BB%B6 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%90%E5%B3%B6%E6%83%9F%E8%AC%99

*2:横浜事件http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%90%E5%B3%B6%E6%83%9F%E8%AC%99

*3:これは英米法の「未成熟証拠の非公開法理」に基づきます。公判廷で適正な手続で取調べられた証拠(成熟証拠)以外は頑として公開しないという法原則です

*4:美人過ぎる検事さんのメイルコメントだと,代替性のない実況見分や鑑定書という客観証拠は,民事損害賠償という目的に使用する限定で,不起訴記録でも,被害者,遺族,保険会社に,例外的に開示されますが,一般公開は目的外使用に当たり許されないそうです。<(_ _)>