違憲状態問答

人事院勧告見送り、合憲か違憲か 野田政権VS人事院
http://www.asahi.com/politics/update/1026/TKY201110260428.html
>野田政権は復興財源をひねり出すため、平均0.23%の引き下げを求めた人事院勧告よりも、7.8%下げる特例法案成立を優先させる方針だ。藤村修官房長官は「特例法案は勧告の趣旨を内包している」と強調。法案は震災対応の臨時措置で勧告の引き下げ分も含まれるとし、合憲と主張した。梶田信一郎内閣法制局長官も「努力を尽くしたが実施されないのであれば憲法の趣旨に反するとは断定できない」と述べた。
人事院の江利川毅総裁はこれに対し、公務員は労働基本権を制約されている代わりに勧告で給与水準が決まっていると説明。「勧告が尊重されなければ(憲法に)抵触する問題が出てくる」と反論した。特例法案だけでは50歳以上に比べて中堅・若手の給与が抑えられている実態が是正されないと訴えた。

一票の格差衆院97選挙区で2倍超 昨年の国勢調査
http://www.asahi.com/politics/update/1026/TKY201110260520.html
>「一票の格差」は選挙区内の人口を定数で割り、最も少ない選挙区を基準に算出する。衆院は高知3区の24万1265人、参院鳥取県の29万4334人と比べた。衆院で格差が大きかったのは、千葉4区(2.524倍)、神奈川10区(2.510倍)、東京6区(2.448倍)。
衆院小選挙区の区割りは国勢調査に基づいて10年ごとに見直す。内閣府衆院議員選挙区画定審議会が今年3月に議論を始めたが、各都道府県に定数1を割り振る「1人別枠方式」について最高裁が「違憲状態」とする判断を示し、中断されている。

 ホットスポットなので論評は避けますが,人事院は人事官3名のトップで構成され,人事官は,両議院の同意を経て内閣が任命して天皇が認証する官職で,3名のうち2人が同一政党に所属又は同一の大学学部を卒業した者であってはならず,国家公務員法の定める欠格条項の充足,12年以上の在任,国会による訴追に基づく最高裁の弾劾裁判でなければ罷免されない独立性と身分保障が強い稀有な官職です。*1
 また,一票の格差最高裁判例の変遷は,既に指摘したとおり業を煮やしたかのごとき司法積極主義で,「1人別枠方式」は立法裁量の逸脱である旨を判示するに至っています。*2